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先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!—鳥取環境大学の森の人間動物行動学

リチャード・ドーキンスやコンラート・ローレンツの翻訳物での日高敏隆氏や、サル学方面での山極寿一氏などを読んで動物行動学周辺に関心があったので、本書のサブタイトルにある"森の人間動物行動学"という箇所に反応してピックアップ。 サブタイトルを見て初めて鳥取環境大学の存在を知りました。どうやら公設民営方式で(PFI方式といえば図書館などが思い浮かぶが、大学のケースもあるのか)最近というほどでもないが新設された大学のようだ。本書はそこで動物行動学を専門にしている著者が、自然あふれる大学での日々の生活で出会った動物のあれこれを記録したものです。 動物行動学の専門書と期待すると、いささか拍子抜けする面もある。むしろ 「もやしもん」 という農業大学を舞台にした学園マンガに似たテイストといえば伝わりやすいかな。新設された大学で何をやっているのか、具体的な日々の日常をわかりやすく一般向けに書かれているのでさくっと小一時間程度で読める。

「近代名建築で食事でも」

前作は資生堂での企画モノでアールデコでしたが、今回は「近代名建築で食事でも」と題して、東京に現存する近代建築のうち、内部の見学と喫茶飲食を提供している所へ毎度の散策であります。 いつもの稲葉なおとテイストでしたためた写真とテキストで楽しめるもので、そういえば磯達雄&宮沢洋の「昭和モダン建築巡礼 西日本編」というイラストとテキストのコントラストがいい感じの本が昨年出ていたけど、その東京編とも言える内容かな。 対象へのLove度というかリスペクトがにじみ出ている文章は、読んでいるこちら側にもビシバシ伝わって満腹になれるというか、どうせ何かを書き散らすならばそんなポジティブな感じで行きたいな、と。

「エンタメ」の夜明け ディズニーランドが日本に来た!

バブルでGo!の公開に合わせた「気まぐれコンセプト クロニクル」の隣に陳列してあった、このホイチョイの本はおもしろかった。プロジェクトX的な語り口で、堀貞一郎と小谷正一のふたりに焦点を当てて日本のディズニーランド誘致について、さらっとまとめてある。 そもそも日本のディズニーランド誘致の経緯は、知らないことばかりだったので「へぇ〜」と読めた。特に二人のキャラが活き活きしてHackしているなぁ、と。今のファミリーレストランなど、70年代から80年代の移り変わりにディズニーランドが大きく影響及ぼしたのかな、と、そこらへんの機微が当時まだ生まれてなかったのでよくわからないけど窺い知れる感じだった。