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「デイヴィッド・オグルヴィ 広告を変えた男」ケネス・ローマン

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デイヴィッド・オグルヴィという人の名前だけは、それこそ『ある広告人の告白』の著者として随分前から目にしていたけど、はたしてどんな人なのかあまり関心を持っていなかった。数年前に海と月社が新版を改めて出した時に「おぉ、このタイトルは広告の分野ではよく参照されている一冊だな、一応さらっておこう」と正直言えば『ある広告人の告白』もその時パラパラめくったぐらいでちゃんと読んでいなかったので、これを機に併せて目を通してみた。   彼はスコットランド生まれの成り下がりでオックスフォードでは挫折中退して、フラフラと2つの大戦の狭間の時期にパリのホテルでコックの見習いからアガクッカーというオーブンの実演販売のセールスマンをして、先に広告業を営んでいた兄貴を頼って広告の世界に入り、アメリカに渡ってギャロップのリサーチャーとして足固めをして、50年代のアメリカで広告を売っていく。この本書前半部分は、デイヴィッド・オグルヴィという人の成長譚としてストーリーはなんだか出来すぎでおもしろい。 なるほど『ある広告人の告白』が読み継がれる理由は、「広告とはなにか」と立ち返る時にたしかに現在でもhowtoとして使えるだろうなというのが、その時代背景などが本書を読んでみてwhy/whatという部分の補助線となってクッキリとしたのは収穫でした。