イマココ
”イマココ”というタイトルに惹かれた。Twitterの普及もさることながら携帯電話で位置情報を使ったサービスが使われ出して、自分自身もiPhoneやAndroid携帯でFoursquareやGowallaを使ってcheck-inすることがあるので、このようなサービスを使うことが生活の中でどう変わっていくのか気になっているのでちょうどいいタイミングで興味惹かれるお題だなと手に取った次第です。 本書は二部構成になっており空間認知を切り口に、第一部では人間と他の動物との空間認知の違いを伝書鳩や蟻などの具体例を挙げながら比較する。人間の空間把握能力は偏光や磁力を感知する他の動物に較べて貧弱である一方、人間が持つ自意識があることで空間を感じるのではなく組み立てられる抽象化する特異な能力がある、と。で、そこから何がその人間の空間把握能力をエンハンストしてきたを第二部では地図を作り出すことから始まってアレグサンダーのパターンランゲージ、ジェイコブの都市設計といった話題で散りばめている。 本文で取りあげられる個々の具体例や巻末の脚注も豊富にあるしそれぞれなるほどと思うが、全体を通して読むとあちらこちらと若干とっちらけな印象を持ってしまう。たぶん僕が興味惹かれたポイントについてはむしろ濱野さんの補題で挙げていたアーキテクチャーの話題についてで、そこが物足りなさを感じてもっと掘り下げて欲しかった。